有限会社フォース
小さなお店の販促を助ける 携帯マーケティングのASP業者
飲食業・小売業を中心に多くの企業がとり入れだしている携帯マーケティング。店の宣伝情報を、会員顧客の携帯電話に直接メール配信することで来店を促す販促手法だ。ダイレクトメールや折り込みチラシに比べ低コストで取り組めることから、規模の小さい店でも簡単に導入できる。とはいえ、メールの大量配信・着信の管理や、データベースの管理、コンピュータウィルス対策などの厄介な作業が必要になる。業務の片手間に素人が行うのは荷が重い。だが、そうしたシステムサポートをすべて任せられるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)業者も多数存在する。『おとくねっと』の名前でサービスを提供しているフォースもその一つ。月額5250円の料金で、居酒屋、レストラン、パン屋、美容室など現在、約50社を顧客として抱えている。いずれも個人経営の小規模店ばかりだ。
「小さなお店を応援するというのが当社のモットーです。それはもともと私たちが、おもに商店街の個店を顧客にするチラシ広告の印刷会社だったことと無関係ではありません」と語るのは山上一之社長(40)。
折り込みチラシの印刷・制作を生業としていた山上社長が携帯マーケティングのASP業者へと第二創業したのは、今から4年前のこと。衰退著しい小規模店のためにチラシ以上の集客効果を期待できる新しいプロモーション手法を普及させたい、との思いからの経営革新だった。
コンサル業務が強み
システム会社から出発したASP業者が大半を占めるなかで、チラシ広告の印刷会社が前身というのはごく稀なケース。だが、その変わり種%Iなところが同社ならではの強みを生み出している。マーケティングにおけるリアルなコンサル業務が行える点だ。山上社長は店に直接定期的に訪問したり、電話やメールを通じて様々なサポートを提供している。
競合するASP業者の多くはシステムに関して豊富な知識を持つものの、現実のマーケティングについてはさほど詳しくない。それに対し同社は、広告制作にあたって店のオーナーたちと試行錯誤してきた長年の経験やノウハウがある。だから集客メールにおける具体的なアドバイスが提案できるのだ。例えば、「お客をひきつけるメールの作り方」「メール配信のタイミングや頻度」といったものをオーナーそれぞれの立場にたってコンサルしている。
「おとくねっと参加店に対し、月に二回ほどのペースで『おとくねっとニュース』というメルマガを配信しているのもコンサル活動の一つです。そこには、繁盛店の仲間入りをお店が配信するメールを参考例として紹介し、メール作成の勘どころを知ってもらっています」
おとくねっと参加店となり、山上社長のサポートを受けるには一つの約束事がある。現状よりも格段に集客力があがった場合には、その取り組み内容を他の店にオープンにするということだ。小さな店同士、有益な情報はみんなで共有化し、手を取りあって元気になっていくことを目指しているのである。
「小規模店のために、という事業方針は中小企業経営革新支援法の申請の際に大きく評価してもらえました。承認獲得がスムーズにいったのは、携帯マーケティングの新規性に加え、商店街などの地域活性化に貢献する取り組みが認められたからだと思います」と山上社長は話す。 |