パン工房 クロワッサン
主婦に買い得情報を配信し 熱烈なファンにかえる
「携帯メールを使った販促はチラシに比べ数倍の効果があります」
埼玉県さいたま市で「パン工房クロワッサン」を経営する大西惠吉(53)さんは、こう語る。同店は閑静な住宅街にあり、店の広さは16.5坪。クロワッサンやバターロール、抹茶大納言など、常時約80種類のパンを製造販売しており、一日160〜200人が来店する。「お客様は圧倒的に女性が多く、一人で3〜4個、700円くらいお買い上げになります」(大西さん)という。
パン屋に限らず、消費者を直接相手にするビジネスでは、折り込みチラシを使って集客するのが常套手段だ。大西さんも以前は二ヶ月に一度チラシをまいていた。1回につき5000枚を折り込み、その集客効果は0.2%程度だったという。5万円(チラシ代)を投じて、わずか10人しかこないわけである。
これではコストパフォーマンスが悪すぎる。そこでもっと効果的な方法はないかと考え、目をつけたのが携帯販促だったのだ。ただ、小所帯ゆえに、オペレーティングの面で一抹の不安があった。大西さんは毎朝4時に起きてパンを焼いており、日中は作るのに手一杯だからだ。
そこで大西さんは2003年11月、ASP業者のフォース(山上一之社長)と契約し、同社が運営する「おとくねっと」に加盟することにした。おとくねっとは利用料金(大西さんの場合月額5250円)が安いうえに、使い勝手もよいことから、中小の小売店・飲食店の間で評判になっていたからだ。
携帯メールは速報の回覧板
それでは大西さんはおとくねっとを使って、どんな携帯販促を行っているのだろうか。
まず第一に顧客のメールアドレスを入手するため、同店では来店した顧客に「カード」を手渡し、おとくねっとへ空メールしてもらい、本人同意のうえで性別、年代などを記入し登録していただく。現在、登録会員数は約200人で、この人たちに向けで情報発信するわけである。
その内容は、例えば「3時頃に抹茶大納言が焼き上がります」とか「当店オススメのピザ(750円)を土曜日に限り550円で販売」など、買い得情報を中心に配信している。
フォースの山上社長は「パン屋さんの場合、よく店の入口に『今日の焼き立てパンは○○です』と紙などに書いて知らせていることがありますが、それだと通った人にしかわかりません。しかし、携帯メールなら会員全員に瞬時に知らせることができます。いわば速報の回覧板≠ナすね」という。
大西さんは読めば見える≠ニいう文章を心がけ、週に最低3回は配信している。そのレスポンス率は平均約8%なので、約16人(200人×約8%)が買いにくるということだ。とくに午後から雨が降り、客足が止まるのを見越し早いタイミングで2割引きセールなどをメールで流すと、効果的だという。
当面の目標は会員数を500人台に乗せることであり、それだけのファンを抱えれば、「年商を今の倍にすることも夢ではない」(大西さん)といっている。 |