2度目のチャレンジ! トラブルに巻き込まれつつも
再び居酒屋・店舗オーナーとして再出発
あれから9年、再び取材に
ある日、編集部に1枚のFAXが受信された。「〜店を一度閉じて、サラリーマン経験後、再び店を持ちました。ぜひ見に来てください〜」──それが、『純情酒場
味都』 のオーナー大山雄二さん。
実は、大山さんは'95年に「ピアノが弾ける店をやりたい」と東京・錦糸町に『洋琴倶楽部
Big You 』をオープンさせている。そのとき、初めて同ページ「明日の繁盛店」に登場してもらっているのだ。
あれから9年、ひとまず大山さんに本件について電話をしてみると、聞けば今の店を開くまで大変なことがあったらしい。そこで、再び本誌に登場してもらうため、埼玉県・春日部に出向いた。
社長失踪で、大ハプニング!
お父さんが亡くなり、母親と同居するため地元に戻った大山さん。'95年に開いた店は閉めることに。そして、弁当製造会社や出版社にサラリーマンとして勤めたが、ある社長と出会い「埼玉・春日部で店をやらないか」と誘われたそうだ。何の気なしに見た物件だったが、チャンスがあれば再び店をと思っていた大山さんは「雇われ店長でもいい」と店をやることを決断する。
しかし、その後、その社長が失踪。「どうやら、社長と前オーナー、大家と3者間で金銭トラブルでもめていたらしいんです。はたで見ていて何かあると感じてはいましたが……」と大山さん。次の人が見つかるまでと頼まれ、月々の賃料のみで店を継続。しかし、次の候補が現れず、賃貸借契約が切れて、当初700万円といわれた新品同様の造作も85万円に大幅値下げ、真のオーナーとして大山さんは『味都』で新たな出発をしたのだった。
開業費はなんと215万円
開業経緯に困難は多かったが、真のオーナーになったいま「開業費215万円というのは破格ですね」と笑う大山さん。物件はいわゆる造作付き店舗で、客付けもあった。費用は新たに付けた装飾品程度だ。新看板を掲げ、再スタートを図っている。「繁盛とは言わないが、月商150万円でなんとかやっています。地域に根差した店にしていきたい」と奮闘中。
本誌もよく読んでくれているそうで、「みんな借り入れが多すぎ、身の丈以上はダメ、夢ばかりが広がってしまう。店が開けばお客が来ると思っている人が多いのでしょうが、それではやっていけない。客はぜロ、病気にでもなったらなど、最悪のことを考えることはマイナス思考じゃなくて、プラス思考。その対策を考えてやっていかないと店の運営はできない」とアドバイス。」
大山さんの店づくりのポイント 販促活動
春日部駅のメイン改札は西口。飲食店や居酒屋など飲み屋はこちらに多く集積している。が、『味都』は東口の通称ロビンソン通りの路地に入った所にある。リピーターも多く、一見客の需要はあるが、増客そしてお客とのコミュニケーションを図るための販促活動などにも力を注いでいる。
その一つが、「おとくねっと」という携帯メールサービス。お客はメール会員になれば(無料)、毎回飲食代が300円引きになるそうだ。送信する内容としては「お店に来て下さい」という単に客寄せのためだけではなく、お客とコミュニケショーンを図ることができるよう、日常の何気ない話を中心とした内容に努めているという。そのうえでは、おもしろくまとめることがポイントだそうだ。
同店は2階が客席数の多い座敷となっており、調理を担う大山オーナーはほとんど1階で運営にあたっているため、お客と会話をする機会が少ないことからも同サービスを採り入れたという。お客の反応もまずまずで、「メール見たよ!」と声をかけられることも少なくない。こういった交流が地域に根付く個店には大切なことかも知れない。
また、月に一度、タウン情報誌に広告を掲載。広告掲載の料金もそんなにかからず、チラシよりも効率よく掲載後のお客の反響も多くあるという。 |